CL:株式会社 東京創元社様
デザイン:アルビレオ様
●紙魚の手帖 vol.19 OCTOBER 2024
発売日:2024年10月11日
●『私たちの愛の巣』
著:古矢永塔子様
「手」で登場人物を表現
登場人物ふたりの後ろ姿を描いてほしいというご要望を頂き、まずはシンプルにオーダー通りのラフを作成。
顔の描写を避けたいとのことだったので、手でそれぞれの特徴を表現するのはどうだろう?と思いふたつめのラフを作成しました。
(ふたつめのラフが採用されて清書する際、ラフを消してしまっていました…!)
そして後ろ姿というご要望に加え、不穏さを強く出してみようと最後のラフを作成しました。
採用して頂いた「手」の案は、ご要望とズレてしまうので提案するか迷いました。
でも「後ろ姿を描くこと」より「顔の描写を避ける」という部分が重要だと判断し、思い切ってご提案。
結果とても喜んで頂けました。
大事にしたい部分は変えずに、色々な視点からご提案していこうと改めて実感したご依頼でした。
物語に終始漂う不穏な雰囲気や違和感
物語のはじまりから、うっすらと文字の裏側を這うような不穏さや違和感が漂っています。
一体どこにその正体があるんだろう、と一気に読んでしまうような雰囲気がありました。
主人公であるふたりとは全然違う人生を歩んできたはずなのに、物語の終盤では「この感覚、私の中にもある」と共感していました。
ぜひ皆さんも読んでみてください。